婚姻時に姓(苗字)の変更をした側は、離婚に伴い旧姓に戻すか、そのままの苗字で過ごすのかは重要な選択です。
離婚後も、そのまま婚姻時の姓を名乗ることは可能ですが、一度決めてしまうと容易に変更することはできません。
特に子どもがいる場合、自分のことだけでなく、子どもへの影響も配慮したうえで判断する必要があります。
今回は、離婚後に苗字を変更する方法と注意点についてまとめました。
離婚をしても旧姓に戻さなくても良い?
離婚後も、婚姻時の姓を名乗ることは可能です。ただし、所定の手続きが必要になります。
一度決めてしまうと、その後容易に変更することはできないため、デメリット等、しっかり考える必要があります。
旧姓に戻すことのデメリット
旧姓に戻す場合、以下のようなデメリットがあります。
子どもと同じ戸籍に入れない
離婚届を出すと、自動的に旧姓に戻ります。ただし、子どもは手続きをしない限りは婚姻時の姓のままです。母子の苗字が違う場合は、同じ戸籍に入ることができません。
もし親権を妻側が得ても、苗字が母子で異なる場合には、子どもたちはそのまま夫の戸籍に残ることになります。
子どもの精神状態に影響する
母子の苗字が違う場合、自分の苗字と母親の苗字が違うことに違和感を抱いて、そのことで精神的な負担が生じる可能性があります。
また、子どもの苗字を母の旧姓に変更すると、学校等で周りのお友達にいろいろ聞かれてしまい、それが子どものストレスになることも考えられます。
氏名の変更が面倒
免許証、銀行等、苗字が変わると氏名変更をしないといけないことがたくさんあります。婚姻時の居住地にそのまま住み続ける場合以外はいずれにせよ住所変更手続きが必要となるため、ついでにやってしまう、と考えることもできます。
会社勤めの場合は、苗字を変えることでアレコレ周りから言われる可能性もあり、人間関係が面倒です。
婚姻時の姓を名乗り続けるデメリット
元夫のことが憎くて仕方がない!という場合以外には、大きなデメリットはないです。
ただし、もし再婚してまた離婚することになってしまった際は、一つ前の苗字が『旧姓』となるため、元々の姓には戻せません。そのため、再婚を考えている方はよく考えたほうが安心です。
婚姻時の姓を名乗り続けるための手続き
結婚したときに苗字を変更した側は、原則として、離婚をすると旧姓に戻ります。そのため、婚姻時の姓から苗字を変えたい場合には、離婚届を提出すれば自動的に旧姓に戻ることができるのです。
では、婚姻時の苗字のままにしたい場合はどうしたら良いのでしょうか。
それは、役所に「離婚の際に称していた氏を称する届」(ここでは婚氏続称届と書きます)を提出すれば離婚後も結婚時の苗字を名乗り続けることができます。
婚氏続称届は離婚から3か月以内ならいつでも提出可能です。離婚届と同日に提出可能なため、婚氏続称届は離婚届と一緒に提出するのが一般的です。離婚後の苗字をどちらにするか、離婚届を提出する前に決めておくと良いでしょう。
この届け出をした後に、旧姓に戻すことは基本的にはできません。この場合、別途、家庭裁判所で氏の変更許可が必要となります。そのため、良く考えてから手続きしましょう。
まとめ
離婚する前も大変ですが、離婚が決まった後も手続きが複雑でしばらく大変かもしれません。
漏れがないように落ち着いて準備をしましょう。
手続きの参考になりますと幸いです。